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HOME 読み物一覧 冊子「青いスピン」 作品募集 リンク お問い合わせ HOME 読み物一覧 本当は人間の脳も知っていること 創刊号 2022,9月号 2023/04/03 本当は人間の脳のうも知っていること 稲いな垣がき栄ひで洋ひろ エッセー ノンフィクション 科学エッセー  私わたしたちの身の回りには、色とりどりの花が咲さいています。 黄色い花があったり、紫むらさき色の花があったり、白い花があったりします。  それにしても、不思議です。  自然界は適てき者しゃ生せい存ぞんの世界です。 優すぐれたものは生き残り、劣おとったものは滅ほろんでいくことが、自然界の厳きびしい法ほう則そくです。それなのに、どうして、色とりどりの花があるのでしょうか。 自然界で生きる植物の花の色や形には意味があります。 もし、黄色い花が優れているとすれば、世界中の花は全て黄色に進化するはずです。 しかし実じっ際さいには、紫色の花もあれば、白い花も咲いています。 自然界には正せい解かいはありません。黄色い花が優れていることもあれば、他の色が優れていることもあります。もし、たった一つの正解があるとすれば、世界中の全ての花は同じ色と、同じ形に進化したことでしょう。 しかし実際には、さまざまな色の花があり、さまざまな形の花があります。 自然界には、さまざまな環かん境きょうがあります。場所が変われば正解が変わります。季節が変われば正解が変わります。自然界には、さまざまな居い場ば所しょがあり、さまざまな正解があります。自然界にある花々は、どれもが正しくて、どれもが優れているのです。 全ての花には、それにふさわしい場所があります。そして、全ての花は、それぞれがふさわしい場所で美しく咲いているのです。 こうして、自然界にはさまざまな花が存そん在ざい しています。 このように、いろいろな種類があることを「多た様よう性せい」と言います。  そういえば、私たち人間にもいろいろな顔があったり、いろいろな性せい格かくがあったりします。これも多様性です。 私たちは、多様性が大切であることを知っています。 ところが、問題があります。 じつは、私たち人間の脳は、多様性を理解することがあまり得とく意いではないのです。 自然界は多様で複ふく雑ざつです。自然界を理解することは、簡かん単たんではありません。そこで、私たち人間の脳は、それをできるだけ単たん純じゅんに考えるように進化を遂とげてきました。 そして、ばらばらでたくさんあるものをグループ分けしたり、順番をつけたりすることで、整理して理解しようとするしくみをもっています。そのため私たちの脳は、点数をつけたり、順番に並ならべたりして比くらべることが大好きなのです。 それだけではありません。比べることが大好きな人間の脳は、ときには、優ゆう劣れつをつけてみたり、差別をしたりしてしまいます。多様な価か値ち観かんが理解できなくて、戦争を起こしてしまったりすることさえあります。 それが私たちの脳なのです。 私たちの脳が理解できないほど、自然界は複雑で多様です。 自然界を見み渡わたせば、本当にたくさんの種類の花を見ることができます。 ただし、花の色は植物の種類によって決まっています。たとえば、タンポポの花は黄色ですし、スミレの花は紫色です。 タンポポが紫色になりたいと思っても、それはできません。スミレが黄色い花をうらやましく思っても、花の色は変わりません。 それぞれの花が、それぞれの居場所で、あるべき姿すがたで咲いている。それが自然界です。 人間は、それらの花を改良して、新しい品種を作り出してきました。 はたして人間たちは、どんな品種を作り出したでしょうか。  驚おどろくべきことに、人間が作り出した園芸用の花は、自然界の花よりも、さらにさまざまな色があります。 たとえば、パンジーはもともと自然界では紫色の花でしたが、品種改良をして、黄色やオレンジ色などさまざまな色が作り出されました。 また、バラも野生のものは白色のものが多いですが、品種改良が行われて、さまざまな色が作り出されています。 人間は、色とりどりの野生の花を改良して、さらにいろいろな色の花を作り出しました。 こうして花屋さんでは、自然の野山よりも、さらにさまざまな色の花が並んでいます。  本当は人間の脳も、「いろいろあるほうが美しい」ということを知っているのです。 稲いな垣がき栄ひで洋ひろ 植物学者。専せん門もんは雑ざっ草そう生せい態たい学。静岡大学大学院農学研究科教きょう授じゅ。「雑草手帳」、「はずれ者が進化をつくる」、「生き物の死にざま」ほか著ちょ書しょ多数。 読み物一覧へ戻る 関連作品 2023/05/31 算数・数学のよいところ 松野陽一郎 エッセー ノンフィクション 2023/10/02 真実を見つける楽しみ 遠えん藤どう秀ひで紀き エッセー ノンフィクション 2024/04/12 犬の骨の記憶 川かわ上かみ和かず人と エッセー ノンフィクション カテゴリー 物語 (14) エッセー (14) 科学エッセー (4) 随筆 (5) イラストエッセー (5) ノンフィクション (4) コラム (9) お知らせ (3) 入選 (3)佳作 (2) 掲けい載さい号 第4号 2024年,4月号 第3号 2023年,9月号 第2号 2023年,4月号 創刊号 2022,9月号 創刊準備号 2022,4月号 人気の作品ランキング HOME 読み物一覧 冊子「青いスピン」 作品募集 リンク お問い合わせ プライバシーポリシー 本サイトに掲載している文章・イラスト・記事画像の無断転載を禁じます。 Copyright © 2022 by TOKYO SHOSEKI CO., LTD. All rights reserved.

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